認知症
脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活がおくれなくなった状態と定義されています。その原因となる病気は、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどたくさんあります。しかし、多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」で認知症全体の約1割を占めているといわれています。
原因となる病気
- アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症の原因疾患)
- 脳血管障害(脳血管性認知症の原因疾患)
- 前頭側頭葉変性症(前頭側頭型認知症の原因疾患)
- びまん性レビー小体病(レビー小体型認知症の原因疾患)
- その他の疾患
- 慢性硬膜下血腫→手術で治療可能
- 正常圧水頭症 →手術で治療可能
- 脳腫瘍
- 脳炎
- 神経変性疾患
- 薬物中毒
- 欠乏症、代謝異常等
認知症ともの忘れの違い
老化によるもの忘れ
- 体験の一部分を忘れる
- 記憶障害のみがみられる(人の名前を思い出せない、度忘れが目立つ)
- もの忘れを自覚している
- 探し物も努力して見つけようとする
- 見当識障害はみられない
- 作話はみられない
- 日常生活に支障はない
- きわめて徐々にしか進行しない
認知症のもの忘れ
- 体験の全体を忘れる
- 記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害(料理・家事などの段取りがわからなくなるなど)がある
- もの忘れの自覚に乏しい
- 探し物も誰かが盗ったということがある
- 見当識障害(時間や日付、場所などがわからなくなる)がみられる
- しばしば作話(場合わせや話のつじつまを合わせる)がみられる
- 日常生活に支障をきたす
- 進行性である
中核症状
認知症の症状は中心となる症状(必ずみられる症状)と、それに伴って起こる周辺症状(必ずみられるとは限らない症状)に分けられます。
記憶障害
- 同じことを言ったり聞いたりする
- しまい忘れや置き忘れが目立つ
- 直前のことも忘れてしまう
- 探し物も誰かが盗ったということがある
- 蛇口やガス栓の閉め忘れ
見当識障害
今がいつなのか、ここはどこなのか、わからなくなる状態
判断力の低下
- 寒くても薄着のまま外に出る
- 真夏でもセーターを着ている
周辺症状
妄想・幻覚・不安・焦燥・せん妄・睡眠障害・多弁・多動・依存・異食・過食・徘徊・不潔・暴力・暴言
認知症の治療
残念ながら現段階では失われた機能を元に戻すことはできません。認知症の中心となる症状を根本的に治療する薬は今のところありません。治療より介護であり、身体的、精神的な機能をなるべく長く維持するといったことが目的となります。
薬物治療
病気を治す薬ではありませんが、症状の進行を遅らせる薬(アルツハイマー型認知症)が出てきています。幻覚や不安などの精神症状、徘徊などの周辺症状も向精神薬などの薬によって症状が改善する、あるいは軽くすることができます。
専門職による治療
病院や老人ホームなど施設で実際に専門職(精神科の医師、各種療法士など)の方が行う心理療法も重要な治療です。回想法、、アニマルアシスドセラピーや音楽療法などといった心理療法を行っている施設もあります。
介護の重要性
認知症の記憶障害は非常に強いので、不可解な行動をとることがあるかもしれません。しかし、一方的に認知症の方を責めるのではなく、認知症の方の身になって考え、対応することが何よりも大切です。介護者の対応によって認知症の症状は良くなるのです。
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